ENEOSバスケットボールクリニック

スキルアップ!バスケットボールクリニックコーチの身体とテクニックの基礎クリニック

バスケットボールクリニックコーチ陣による、スキルアップのためのクリニックです。
すぐに練習に取り込めるテクニックや、選手に必要な「エネルギー・水分」の補給ポイントなどを紹介します。
テクニックのこと、身体のこと、バスケットボールを行う上で基本的なことをもう一度見返して、基礎力アップを目指しましょう!

小池コーチの「身体の基礎クリニック」第12回 栄養素の働き〜炭水化物編〜

こんにちは。朝晩涼しくなってきて、少し秋の気配が感じられるようになってきましたね。
夏休みも終わってしまいましたが、皆さんにとってこの夏はどうでしたか?この夏の部活は乗り越えられましたか?

さて、今回から数回は、以前少しお話した5つの栄養素のについて詳しくお話していきたいと思います。少し難しいかも知れませんが、毎日の食事・練習とあわせて読んでみてください。

「炭水化物」(糖質)

炭水化物とは、厳密に言うと、〔糖質〕と〔食物繊維〕を合わせたものの総称です。
最近は栄養素として表現するときに「炭水化物」としてあらわすことが主流です。今回は糖質と食物繊維に分けて、スポーツ選手の身体での糖質の必要性についてお話します。

まずは食物繊維について、先にお話します。
食物繊維は、消化吸収されず、エネルギーとして利用されないものです。ですので通常、栄養素としては分類されません。しかし最近では、便通を良くするなどの腸内環境や、糖の吸収を遅らせ血糖値の上昇をゆるやかにする、さらにはコレステロールの吸収を抑制する効果があることが分かってきており、生活習慣病予防の観点で重要な成分と考えられるようになっています。平均的な日本人の1日の摂取量は16gですので、目標値である20〜25gにはまだまだ不足しており、もっとたくさん摂る必要があります。
便通がよくない人にはお勧めです。

<多く含まれる食品>
豆類(さやえんどうなど)・イモ類(サツマイモなど)・野菜(特に根菜類ゴボウ・大根など)・きのこ類・こんにゃく

豆類

イモ類

根菜類

きのこ類

こんにゃく

主食に多く含まれています。さて、次にいよいよ糖質です。
糖質は、消化吸収され、主にエネルギー源として利用される栄養素です。1g食べると約4Kcalの熱量を作り出すことができます。
以前にもお話したとおり、ごはん、パン、麺類など、主食に多く含まれています。ご飯などに多く含まれる「糖質」は主にでんぷんです。でんぷんは聞いたことがありますよね?理科の実験などを思い出してみましょう。

ご飯などの主食を食べると、ここに含まれる糖質(でんぷん)は、体内で分解(消化)されてブドウ糖となり、これがエネルギーの素となります。
このブドウ糖は血液の中でいつでもエネルギー源として使われるように血液の中にスタンバイしています。また、筋肉や肝臓の中でグリコーゲンという集合体として貯蔵されています。この貯蔵量が多いか少ないかで、練習や試合での頑張りとスタミナが決まってきてしまいます。

エネルギー源のとしての糖質にはもう一つ大事な役割があります。
体を動かす燃料としても使われますが、脳も糖質を使っているのです。しかも、脳は筋肉とは違い、脂質やたんぱく質をエネルギーとして利用できないため、糖質がないと働かないのです。

エネルギーを作る体が動けばいいじゃない!と思っているあなた!それは大きな間違いです。バスケットの中では、相手や味方の動きを見たり、試合の流れをよんだり、正確な判断力・観察力が必要になってきます。脳が機敏に動いてこそ自分の身体を動かすことができるのです。

注意!!

甘いものも糖質ですが、エネルギー源としてはデンプンと同じですが、デンプンより消化吸収が早く、肥満を招きやすいとされています。また虫歯にもなりやすいです。
甘いものをとることもいいですが、でんぷんからの糖質で摂取するほうが、スポーツマンには得策です。

糖質(炭水化物)はスポーツマンにとって一番大切なものです。
試合中すぐにへばっていませんか?
凡ミスや判断ミスが多くなっていませんか?
集中力が足りないな?と感じたことはありませんか?

こんなことが起こらないためにも普段から炭水化物が多く含まれる、主食をしっかりととり、練習・試合に集中できる体を作っておきましょう。

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