ENEOSサンフラワーズの本拠地である千葉県柏市。11月9、10日には柏市民のスポーツやレクリエーションの拠点となる柏市中央体育館にてENEOSのホームゲームが行われた。ここでは、2日間のホームゲームの様子をレポートする。
11月9日(土)、10日(日)、「柏市制施行70周年記念マッチ」としてトヨタ紡織サンシャインラビッツを柏市中央体育館に迎え入れたENEOSサンフラワーズ。結果的には2日ともに勝利をつかみ、第2戦終了後のコートインタビューではポイントゲッターの長岡が会場に足を運んだ観客に向けて感謝の言葉を力強く発した。
試合は両日ともに接戦に。第1戦(9日)は前半をかろうじて5点リードで終えると、後半は幾度となく相手に流れを渡しそうになったものの、その度に長岡や宮崎早織らが要所を締めるシュートを沈めて主導権を渡さない。最終的には79-74で追いすがるトヨタ紡織を振り切った。
続く第2戦(10日)は、前日の第1戦に続いて僅差の争いとなったが、第3クォーター終了間際、宮崎のブザービーターのシュートも飛び出したENEOSが83-81と競り勝ち、2連勝を収めた。
2試合ともに長岡、宮崎はもちろんのこと、相手の大型センターを封じたオコエ桃仁花のディフェンスや大ケガから復帰した星杏璃のシュートなど、コートに立った選手それぞれが持ち味を発揮。そして何より選手たちに力を与えたのが冒頭の長岡のコメントの通り、会場に駆けつけた観客の声援だった。
9日に約880人、10日には約1100人が観戦に訪れた柏大会。チームロゴがあしらわれたTシャツやハリセンなど、チームカラーの黄色で埋め尽くされた会場はまさに『ホーム』。加えて、市制施行70周年を記念する黄色いTシャツも際立っていた。
昨シーズンをはじめ、柏市中央体育館ではコロナ禍を除いてほぼ毎シーズンホームゲームが行われてきたが、今回ははじめてコート周りに『ENEOS Sunflowers』の文字が目立つ装飾が施され、センターサークルにもチームロゴを用いた。この2日間は、各日コートサイドのチケット購入者にはサイン会の特典があり、試合後、全選手から直接サインをもらうなど選手とファンとの交流も持たれた。
ほかにも運営面では順天堂大学スポーツ健康科学部の学生たちが授業の一環として設営や観客の席への誘導、コートキーパーや応援イベントへの呼び込みなどあらゆるシーンで試合をサポート。体育館の外にはキッチンカーも出店し、ホームタウンゲームを盛り上げた。
熱狂の中で終えた柏大会。今シーズンは3月に再び柏市中央体育館でのホームゲームが予定されており、アイシンウィングスと対戦する。
キャプテン
新人
柏でのホームタウンゲームははじめて経験しましたが、想像以上に(相手の)トヨタ紡織側のベンチの方にもENEOSのファンの方がいたり、見渡す限り黄色で埋め尽くされていたりしたので、試合前から楽しみでした。
試合でもシュートが入ったときの歓声の大きさや交代で試合に出たときの掛け声の多さなど、さすがホームタウンゲームだなと感じました。名前の入ったタオルなどもいつも以上に持っている人が多く、手作りのボードなどもあったので、それを見て「本当に頑張らないとな」とより強く思いました。
Wリーグでの戦いには慣れてきましたが、毎試合調子が良いわけではないので、そういうときこそチームメイトに頼るところは頼りながら頑張っていきたいと考えています。
相手チームの応援席の方までENEOSを応援する方がいることに驚きました。シュートを決めたりハッスルプレーをしたりしたときに応援の声が多く、それが励みになりました。
(2試合ともにスターターとして出場について)ハードにプレーすることが役割で、それは前からずっと言われていることなので、試合の途中から出てもスタートで出ても変わらないことだと思っています。
(開幕から)ここまでは決して手応えがあるわけではなく、当たり負けすることや高校のときは4番ポジションだったので、3番ポジションのディフェンスについてはまだまだ。そこが課題だと考えています。それに、高校ではフィジカルが強いと言われていましたが、自分自身はそこまで強くないと思っていたし、実際、もっと鍛えないといけないとも感じています。
モニカ(オコエ桃仁花)やジュナ(梅沢カディシャ樹奈)の加入など新しいチームになった中で柏でのホームタウンゲーム。特に開幕から数試合を重ねたタイミングだったのですごく楽しみでした。実際は怖さもあったけれど2試合とも勝利をつかめて良かったと思います。
観客のみなさんの声援はすごくプラスになりました。それと運営の方たちが大会を盛り上げるためにSNSもそうですが、私たちの見えないところでもいろいろと動いてくれていたということも感じ、とても感謝しています。観客がたくさんいる中で試合ができて本当に楽しかったです。
柏市中央体育館に来ると、「戻ってきたな」と思いますし、昨シーズンはデンソーアイリスと良い勝負をしたことも思い出します。そういった点では柏市中央体育館での試合の記憶というのは特別強く残るものだと感じています。
今回はサイン会もあり、久しぶりにファンの方々と近い距離で交流できたので、それもうれしかったです。若い選手たちは(コロナ禍の影響で)これまでサイン会などは経験できなかった分、今回のように交流することでファンの方たちがいて私たちがいるというのをしっかりと感じることができたのではないかと思います。
チームはまだ波はありますが、いいチームになってきています。若いがゆえのミスなどもありますが、そういうときこそ私やモエコさん(長岡)とベテランが相手に流れを渡さないプレーをすることが仕事だと思っています。