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Wリーグオータムカップ2023 in 奥州 REPORT

9月8日から10日の3日間にわたって、『Wリーグオータムカップ2023 in 奥州』が奥州市総合体育館Zアリーナにて行われた。サンフラワーズはその前に『2023 WOORIBANK PARK SHIN-JA CUP』(韓国開催/8月26日〜9月3日)に参戦し、韓国トップリーグであるWKBLのチームらとしのぎを削った。オータムカップでも10月14日に開幕する第25回Wリーグに向けて、チームの強化を図ったが、ここではオータムカップでの試合の模様を選手のコメントをもとに振り返る。

なお、今年のオータムカップは、Wリーグの14チームと社会人チームの4チームの全16チームが3ブロックに分かれて戦い優勝を争い、Aブロックに所属したサンフラワーズは見事優勝を果たしている。

【9月8日(金)】
シャンソン化粧品シャンソンVマジック戦

シードにより初日はトーナメント戦の試合はなかったため、同じくシードとなっていたシャンソン化粧品と交流戦を行った。

ルーキーの鈴置彩夏の3ポイントシュートで始まった試合は、ハードなディフェンスとリバウンドが光り、渡嘉敷来夢を中心にコンスタントに得点を挙げていく。シャンソン化粧品に追いつかれる場面はあったものの、速攻などで得点を重ねると、後半にはさらに引き離し78-65で勝利した。

#10 渡嘉敷来夢選手

韓国遠征ではプレータイムがそこまで長くはなかったのですが、今日の試合では約24分。そこはコーチとも話をして長めに試合に出ることにしました。実際にプレーしてみて体力的には問題なく、よかったのではないかなと思います。

今はチームみんなが3ポイントシュートを打つことを求められているのですが、今日の試合ではシュートを打つこと自体はできたと思うので、あとはしっかり決め切ること。ディフェンスでも、もう少し強度を上げていけたらいいなと思います。特にENEOSはディフェンスのチーム。ディフェンスでも新しいことをやっていて中途半端になってしまうときがあるのですが、そこをこれからしっかりとできるようにしていきたいです。
(対戦相手のシャンソン化粧品には)身体能力高いイゾジェ ウチェ選手がいて負けられないと思っていたし、勝てる自信もありました。最初のプレーでウチェをブロックしましたし、止められるのは私しかいないと思っています! もちろん、ポテンシャルも高い選手で、対戦していて楽しいです。そういった意味でもシャンソン化粧品との試合はこれからも楽しみです。

#11 岡本彩也花選手

自分自身はまだ本調子とまではいかないのですが、ディフェンスでプレッシャーかけたり、走ったりすることはできると思い、そこを積極的にやりました。それと、3ポイントシュートを打つことが今のチームの目標なので、そこも韓国遠征に続いて意識したことです。
(一昨シーズンに負傷した膝は)痛みもなく、少しずつですがドライブにも行けるようになり、恐怖心も薄れてきました。同じ怪我をしたタク(渡嘉敷)から気持ちの面は自分で打開しないと自信がついてこないとアドバイスをもらったことも大きく、韓国遠征でも抜かれてもいいからディフェンスを前から当たるなど、どれだけ動けるかを試しながらやることができました。そこで少しずつ自信が付いていったのだと思います。(復帰した)昨シーズン終盤とはまったく違い、アグレッシブにできていると感じています。

オータムカップは若手選手の底上げもチームとして考えている大会でもあるので、私たちはベテランは、ポジティブな声かけをしながら、プレーでも若い選手をフォローできたらいいなと思っています。
(シャンソン化粧品戦では)ミスも多かったし、リバウンドからセカンドショットをやられてもいたので、そこの意識付けがこれから大事だと感じました。少しバタバタしたところや選手交代を多くする中でプレーが合わないところもあったけれど、それも含めてこれから。開幕戦に向けてチームを作っていければと思います。

【9月9日(土)】
山梨クィーンビーズ戦

長岡萌映子、岡本彩也花、藤本愛瑚らの3ポイントシュートが立て続けに決まり、序盤から先行していく。だが、第1クォーター終盤から追い上げに遭うと、前半はわずか5点リードで終えることとなった。しかし後半、渡嘉敷来夢、藤本らのシュートが決まると、ディフェンスでも相手の攻撃をしっかりと抑えて第3クォーターは25-4。一気に点差を広げた。そのままリードを守り切り、89-63で試合終了。

この試合では15得点に加えて9リバウンドをマークした三田七南のアグレッシブなプレーが光った。

#3 長岡萌映子選手

チームの目標がある中で、自分自身の貢献すべきところやチームのためを考えたプレーというのは今シーズンも続けてできるようにしたいと思っています。ただ、すべてのプレーで私が前線に立ってやるというよりは、ショウ(高田静)やココ(中田珠未)、アン(星杏璃)など中堅や若手選手たちが伸びてきているからこそ、次世代につなげていくような役割も果たしていきたいと思っています。

得点ではタクさん(渡嘉敷)だけでなく、アンやユラ(宮崎早織)もドライブに行けるし、みんなが攻めることができます。その中で、私はどのタイミングで点を取りに行くのかを考えながらプレーしたいです。周りが動きやすいような状況を作るプレーも自分の生きる道だと思うので、スクリーンなど、プレーの一つひとつのアクションが自分にも仲間に影響すると思って、チームのために動きたいです。

昨シーズンは移籍して1年目でしたが、このチームの勝ちに対する執念がすごいなと感じたシーズンでしたし、今まで勝ってきた理由を知りました。
ワールドカップを見て、男子日本代表のように、どの立場の選手もみんながチームのために動けるのがあるべき姿だと思うので、また優勝を目指してシーズンを戦っていきたいです。

#17 三田七南選手

試合では積極的に行くことを絶対に心掛けるようにしています。今シーズンで3年目。もう新人ではないので、まだ課題でもあるのですが、コートの中で責任を持ってプレーしたいです。ただ、全体で見ればまだ若手の方になるので、フレッシュさを忘れずに、できることを精一杯やろうという気持ちでいます。

昨シーズンまでは出場時間が短かったので、とにかくリバウンドにすべて入ろうとか、ボールを持ったら(ドライブに)行こうという気持ちでやっていました。今日の試合などは昨シーズンよりも〝行くぞ〟という気持ちが薄れていたかなと思うし、疲れてくるとリバウンドにも行けなくなっていました。そこは前から課題でもあるので、今日も反省として残りました。
オフェンスリバウンドは自分の好きなプレーで、オフェンスリバウンドを取ることができれば、もう一度シュートチャンスを作れるということなので、すごく魅力的なプレーだと私自身は思っています。それに自分自身のモチベーションも上がります。

林咲希さん(富士通レッドウェーブ)や奥山理々嘉さん(日立ハイテククーガーズ)の移籍もあり、今シーズンは試合に出る機会が増えると思っているし、そのチャンスをつかみたいとも思っています。林さんたちがいなくなった分、シュート力は落ちるかもしれないので、まずはシュート力をカバーできるように。また、自分にしかできないこと、自分のやれるオフェンスリバウンドやアグレッシブに行くところは二人が抜けてマイナスになるのではなく、むしろプラスになるように頑張っていきたいです。

【9月10日(日)】
トヨタ紡織サンシャインラビッツ戦

トヨタ紡織との対戦となったAブロック決勝。速い展開からの攻めでテンポ良くシュートを決めていくと、スタートダッシュに成功する。そのまま攻撃の手を緩めずに第1クォーターは32-16と大量のリードを奪った。だが第2クォーター、トヨタ紡織のゾーンディフェンスに得点ペースが落ちると、じりじりと詰められてしまい、前半はかろうじて6点のリードで終えた(44-38)。

それでも、後半は渡嘉敷来夢の高さを生かしたプレーで相手に流れを渡さず、10点前後のリードをキープしたまま試合を進め、最後は79-65でオータムカップAブロック初優勝を飾った。

#21 高田静選手

オータムカップでは(日本代表合宿に参加中のため)ユラさん(宮崎早織)やアン(星杏璃)がいない中、ガードとしてプレーすることが多かったのですが、チームは今、オフェンスでのペースについて重点を置いているので、ペースがゆっくりにならないようにすることを考えていました。それができなかった時間帯もあれば速い展開に持っていくことができた時間帯もあったので、今後はその波をなくしていきたいと思っています。また、できるだけ他のメンバーに気持ちよくシュートを打ってもらいたいと考えていて、その方がシュート確率も良くなるので、私がボールを持ちすぎないことやボールを触っていない選手がいるかどうかなども気にしながらプレーしていました。セットプレーのコールでも、流れが悪いときに何をコールするか。そこは冷静にできたのではないかとは思います。

3ポイントシュートを今大会では積極的に狙っていきました。チームとしてはできてはいたけれど、個人的にはあまりシュートのタッチが良くなかったので、もう一度、自信持って打てるようにしていきたいです。

昨シーズンは周りのことばかり考えすぎて自分の調子が上がり切らないというときがあったので、5年目の今シーズンは深く考えずに。昨年の優勝も過去のものとして、今年は今年で切り替えて、自分の役割、目の前のことに集中してコツコツやっていきたいです。シーズン通して自分なりにチームを引っ張っていきたいと思っています。

#33 中田珠未選手

チームには点を取れる選手がたくさんいるので、私自身はシュートを狙えるときに得意なドライブを仕掛けるようにしています。ディフェンスはチームとしての連携がまだまだ足りないので、今後はさらにコミュニケーション取りながらスムーズにできるようにしていきたいです。いろいろとチームの決め事が変わる中でも、リバウンドはルールに縛られることはないので、いかに取りに行き、いかに相手に取らせないように抑えるかが大事だと思っています。リバウンドは自分の強みでもあるからこそ、常に狙っていきたいです。

オータムカップでは、私が直接リバウンドを取れなくても、ボールを弾いたことで味方が取るシーンもあったので、すべてがスタッツに残るわけではないけれど、比較的力になれたのではないかと思っています。それに、私がコートに立ったときはチームとしてもリバウンドを期待しているということだと感じています。

今シーズンは、チームとして3ポイントシュートのアテンプトを増やそうとしています。私自身はオータムカップでは3ポイントシュートを決めることができなかったし、昨シーズンも3ポイントシュートのアテンプトはゼロでした。でも、個人的には3ポイントシュートを狙うということはプレーの幅が一つ広がったということだと捉えています。2ポイントのロングシュートの方が得意なので、3ポイントシュートにするのか、得意な場所で打つのかはゲームの流れを見て判断できるようにしていきたいです。

チームとしても、個人としても新たなことにチャレンジしたオータムカップでの3日間。この大会を経て、いよいよ2023年10月14日に第25回Wリーグへと向かう。
開幕戦は秋田県立体育館にてプレステージ・インターナショナル アランマーレと対戦。さらなる進化を遂げたENEOSサンフラワーズが昨シーズンに続き、再び頂点を目指す。

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