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藤本愛瑚×星杏璃×奥山理々嘉『二冠獲得への思いを新たに』

10月に開幕した第24回Wリーグ。ENEOSサンフラワーズは11月現在で6試合を終えて3勝3敗と、例年になく苦しい戦いを強いられている。それだけに、Wリーグの中盤戦が再開し、10連覇を目指す皇后杯も控える12月では巻き返しを図りたいところ。

その中でチーム浮沈のカギを握るのが、入団5年目でポイントゲッターの藤本愛瑚と入団4年目でオールラウンダーの奥山理々嘉、ガードの星杏璃だ。成長著しい3選手が今シーズンのここまでの戦いを振り返るとともに、皇后杯に向けて意気込みを語った。

星「ENEOSのメンバーを見たときに、絶対に負けるわけがないんです」
まずは、ここまでのWリーグ6試合を振り返ってください。

藤本毎年のことではあるのですが、シーズンが始まる直前に日本代表選手たちが(国際大会から)戻ってきて選手がそろうため、試合をしながらプレーを合わせていく難しさはあります。でも、その中で自分のできること、どうやってチームに貢献するかということを今は練習から見付けるようにしています。

私は日本代表組がいなかったときも戻ってきたときでも、個人的にはプレーを変える必要はないと思っていたので、試合に出たときはドライブに積極的に行くこと。パスにこだわるのではなく、自分で点を取る気持ちでシーズンに入れたことは良かったかなと思っています。

奥山(開幕前に)3x3女子日本代表として「FIBA 3x3 U23W杯2022」(10月5日〜9日)に出場していたこともあり、Wリーグの出場は3試合。正直、まだ自分自身の状況をつかめていないところもあるのですが、もっと自分を出していかないといけないということは感じています。試合では思い切り良く、力を出し切りたいです。

Wリーグでは3勝3敗。決して納得のいく成績ではないと思います。

奥山昨シーズンまではオフェンスとディフェンスのどちらか良い方がもう一方をカバーすることができていたというか、点が取れないときはディフェンスでカバーするといったことが多くありました。今はまだそれがどっちつかずになっているのかなとは感じます。

富士通レッドウェーブとの2戦目は勝てた試合だったと思うのですが、あと少しの踏ん張りが私も含めて足りなかったです。リバウンドやルーズボール、ディフェンスのローテーションでもあと一歩というところがまだ協力してできていないのかなと感じます。

藤本2年前の皇后杯はケガ人も多い中での優勝でしたが、あのときは全員のディフェンスの足が動いていて、いい意味で何も考えずに勝つためだけにやれていた感じはありました。今は、一つ何かがダメになったときに立て直す力や踏ん張る力がチームが若くなった分、足りないのかなと思います。ただ、レベルアップできるところはたくさんあるし、その底上げができたら良くなると思うので、私たちがもっと頑張らないといけないですね。

奥山その中で開幕のトヨタ自動車アンテロープスとの2戦目の勝利は大きかったと思います。みんなのエネルギーが出て、迷いなくプレーできていたので、あれがENEOSプレーというか、あれを毎試合できたらいいなと思います。

ENEOSのメンバーを見たときに、絶対に負けるわけがないんですよ。タクさん(渡嘉敷)やモエコさん(長岡萌映子)がいるって相手にとっては怖いと思うし。みんながしっかり力を発揮できたときには負けることはないと思うので、ここから上がっていくだけだと感じています。

藤本「負け慣れはしてはいけないが、負けから知ることも大事な経験と捉えてます」

約1カ月のバイウィーク期間、練習で意識してることは?

負けた試合ではタクさんのことを見すぎて周りが攻めなくなった時間帯があったので、タクさんのことを狙いすぎないということは心掛けています。それでもまだ狙っちゃうんですけど(笑)。まずは自分が攻めて、ディフェンスが出てきたらパスといったことを意識しています。

藤本今までENEOSの2、3番ポジションは、『ザ・シューター』といった人たちだったと思うのですが、私はそういったタイプではない。自分からどんどんボールをもらいにいってボールを触る回数を増やして攻める方がやりやすいので、試行錯誤中ではありますが、自分の良さを出せるように取り組んでいます。

奥山試合での重い時間帯はシュートのアテンプト(試投数)が減っているので、練習から積極的にシュートを打つなど、自分が入ったときにいいリズムを作れるように。合わせのプレーやスクリーンなどチームの動きを良くするためのプレーを意識しています。

試合では『ENEOS』という負けられないプレッシャーも感じるのでは?

藤本負け慣れはしてはいけないと感じます。ただプラスに考えれば、今すごくいい経験をできているとも思っています。富士通の2戦目は負けてはいけない試合だったけれど、次につなげるためにもチームや個人として足りなかったことをああいった試合から知ることは大事な経験だと捉えています。
とはいえ勝つためにやっているので、自分たちがいかに早くチームにマッチして、(ベテランの選手たちと)良い感じで融合できるかがカギになるし、ENEOSのプライドは忘れずに戦いたいです。

奥山今シーズンこそは二冠という気持ちを持ちながらみんなでコミュニケーションを取ってやっている分、ミスが起きたときや流れが悪かったときなどは練習からタクさんたちとも話をするようにしています。負け癖は付けたくないし、良くない雰囲気のまま練習もしたくないですね。

入団前は、ENEOSはいつでも常に優勝しているイメージがありました。でも、私が入団してからWリーグでは優勝をしたことがなくて。だから優勝したいという気持ちが強いし、自分が試合に出て優勝したい。2冠獲得を経験したいですね。

話は変わり、それぞれ『この選手のこのプレーはすごい』といったことを教えてください。

藤本(星選手を見ながら)シューターですね。1番ポジションをやっているときとはまた違って、2番で出ているときは思い切りよくシュートを打っていて、才能が開花してるなと感じます。

藤本リー(奥山)もシューターっていう感じはあるよね。

リーは細いのにすごく体が強いんです! (藤本を見ながら)これは戦った人しかわからないよね? オフェンスリバウンドとか。

藤本体全身の強さというか、リバウンドなどぶつかり合うときに強さを感じますね。あとは、私が変なパスしちゃったときもキャッチしてくれる。

奥山八雲学園高校のときに、インサイドで(ポジションを取りながら)パスをもらうプレーは多かったので、そこは得意なんですよ。

藤本そのおかげで、私のターンオーバーを消してくれています(笑)

奥山テンさん(藤本選手)は何でもできる。いろんなポジションができて、昨シーズンは2番もやってたし。今シーズンも3番や4番と、その時々で足りないところのポジションをやっているのですごい。それにクリエイトする力もあるし。

バスケットIQが高い。

奥山いろいろ機転を効かせてできるというかね。バスケットの話のときは、結構テンさんに聞きに行ったりする。

藤本(照れた表情を見せながら)リーがまだアン(星選手)のこと言ってなくない?

強引に自分の話を終わらせましたね。では、奥山選手から見た星選手は?

奥山今シーズンのアンは、やるべきことが明確になっているのかなと思います。ドライブに行く、無理だったらパス、開いたらシュートを打つ。迷わずプレーしているからこそ、私も合わせやすいし不安にならない。頼もしいです。ディフェンスでも前からプレッシャーをかけてくれていて、それがチームの勢いになっていると感じます。

改めて今のチームに求められてることは何だと感じていますか?

藤本点を取りにいくことと、オフェンスリバウンドですね。それはシーズン前から分かっていたことではあるのですが、もっとできるなと思います。今のアンのようにどんどんシュート打って、全員で点を取ったらチームとしても強いと思うので、遠慮せずに積極的にやることが一番ですね。

チャンスがあれば積極的にシュートを打って、ディフェンスでは常にプレッシャーをかけ続ける。コーチから求められていることが明確なので、しっかりやりたいです。

奥山思い切りよくシュートを打つ、そして大事なときに決め切ること。それと、オフェンスでもディフェンスでも、リバウンドではタクさんを助けてあげられるくらい積極的に取りにいきたいです。

奥山「10連覇に貢献できるように練習から一日一日を大事にしていきたい」
最後に10連覇の懸かる皇后杯への意気込みをお願いします。

皇后杯は連覇中でもあるし、負けられないというのはみんな感じていると思います。私自身も試合に出て優勝したいという気持ちが強いので、求められていることを本当にやるだけだと思っています。

奥山私もこれまでは先輩たちにいい思いをさせてもらっていたので、これからは試合に出て、皇后杯の10連覇に貢献できるように、練習から一日一日を大事にしていきたいです。

藤本メンバー的にもそろっていると思うし、全員が勝つためにやれば本当に強いと思います。優勝していたときは、チーム内の練習からやり合いが『激アツ』で、そういったことがチームの底上げにもなっていました。今はメンバーが若くなった分、そこが足りないところだとも思うので、私たちがリードして、チーム力を上げていけるようにしたいです。

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