ENEOSバスケットボールクリニック

聞いて! 答えて みんなの声

スポーツに関することを様々な人にインタビューしてお伝えする企画です

車いすバスケットボール日本代表のヘッドコーチであり、
東京パラリンピックでは史上初となる銀メダルを獲得した京谷和幸さんに聞きました!
京谷HCが語る!競技や試合における不安や緊張の対処法とは?

試合前や試合中、緊張や不安がない人は少ないでしょう。
緊張や不安を非常にネガティブなものだと捉えている人もいるかもしれません。

そこで今回は、京谷さんに競技や試合における緊張や不安について質問してみました。

京谷さんは、選手としても指導者としてもさまざまな経験をしています。
緊張や不安に悩まされている人は、ぜひ参考にしてください!

競技や試合における不安や緊張の対処法

試合前や試合中、緊張や不安があると思いますが、どのように対処していましたか?

常に自分に言い聞かせていたのは、いつも通りという言葉です。
これは、選手にも伝えています。
いつも通りって何?と考えることで、緊張も不安もほぐれてくる。チームとしてのいつも通り、たとえば代表でいえばディフェンス。いつも通りのディフェンスができているかどうかをみて、修正していきます。
あと、普段から選手をよく観察します。それはコーチには絶対必要です。表情をみたりしていつも通りではないときは声かけをします。
そもそも、難しいことをいつも通りやっているわけではなく、簡単なことをいつも通りしている。たとえば、声出しとか走るとか。それをやればいいんです。
いつも通りやる難しさはあって大観衆の中でポッと入っていつも通りやるのは確かに難しいです。だけど、何か一つ自分が基準を持っておいて、自分で確認できるようになると良いですね。シュートタッチとか声が出せているかとか。違うなと気づけばいつも通りじゃないとわかります。気づけないと第1Qで試合が終わってしまうこともありますからね。
僕の場合は、何緊張してんのお前ってなるから、選手時代は緊張を沈める方法として、全体を見回して相手チームも見てということをしていました。そうすると落ち着く。
コート全体を見るのはいいかもしれないですね。

チームとしての試合に対する反省はどうしていますか?

チームとしての試合に対する反省はどうしていますか?

選手のときはあんまり反省しなかったかな。うまくいかなかったから修正しようかなという振り返りはあったけど、あとはコーチがやってくれるから。
指導者としては、よかったところ、悪かったところ、次に向けて改善するところをあげる。必ず良いところからスタートして、悪かったところ、そしてそこを改善しようにつなげています。
でも、最後は気持ちだという部分もあります。

最後は気持ちだという部分もあるとのことですが、どのような気持ちでしょうか?

根性というか、相手よりも勝ちに対して執念があるかどうかが大事ですね。
勝利への執念が勝敗を左右することもあります。

まとめ

競技や試合に対して、京谷さんがいつも通りということを意識して臨んでいたことがわかりました。

試合前や試合中は、多くの人が緊張したり不安になったりすると思います。そんなときは、いつも通りという言葉を自分に送りましょう。
いつも通りがわかるように、自分で何か一つ基準を作っておくと良いと京谷さんはお話ししていました。
試合前や試合中の緊張や不安に悩んでいる人は、自分で何か一つ基準を作ってみてください!

京谷和幸さんの経歴
高校卒業後、ジェフ市原と契約。夢だったJリーガーという夢を叶えるものの、交通事故で脊髄を損傷して車いす生活を余儀なくされます。その後出会った車いすバスケットボールで新たな夢を見つけ、2000年のシドニーパラリンピックから4大会連続で日本代表としてパラリンピックに出場。2008年北京大会では、日本選手団主将を務めています。現在は指導者としての道を歩み、車いすバスケットボール日本代表のアシスタントコーチを経験後、2020年からヘッドコーチに就任。東京パラリンピックでは史上初となる銀メダルを獲得されました。

(取材・構成:渡邉祐人)

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