ENEOSバスケットボールクリニック

聞いて! 答えて みんなの声

バスケットボールに関することを様々な人にインタビューしてお伝えする企画です

シーホース三河のシニアプロデューサーの佐古賢一さんに聞きました!モチベーションの保ち方や指導者に大切なことは?

モチベーションは、バスケットボールに前向きに取り組むうえで、非常に大切な要素の一つです。
しかし、どうすればモチベーションを高く保てるのか、わからない方も多くいると思います。

そこで今回は、モチベーションの保ち方について佐古さんに質問してみました!
また、指導者としても経験と実績をお持ちの佐古さんに、指導者にとって大切なマインドについても、お聞きしています。

佐古さんは、歴代の日本代表ポイントガードの中でも1.2を争う実力を誇り、
国際バスケットボール連盟(FIBA)の殿堂入りも果たしている、「ミスターバスケットボール」です。
また、引退後は、Bリーグの広島ドラゴンフライズやレバンガ北海道でヘッドコーチを務めたほか、
アンダーカテゴリーの指導も積極的に行っておられます。

選手としても指導者としても超一流の佐古さんに話を聞いていきましょう!

意識していたのはオンとオフ

選手として、モチベーションを保ち続けることは簡単ではないと思うのですが、何か大切にしていたことはありますか?

大事にしていたのは、オンとオフ。練習や試合はスイッチを入れるんだけど、バスケットのことはなるべく家に持ち帰りたくなかったんだよね。
バスケットのことを家に持ち帰ると、妻や子どもたちの時間がおろそかになる気がして嫌だった。オンとオフをはっきりすることで、家族にもしっかり向き合う時間を取れたからよかったよ。

どちらか一方をおろそかにすると、結果としてモチベーションが下がるから、どちらも全力で取り組める環境を作っていたね。

オンとオフをはっきりすることでモチベーションを保っていたんですね。具体的にはオンとオフをどのように切り替えていたのですか?

気持ちを切り替えるために、家と練習会場の間に必ず何かを挟むようにしていたかな。たとえば、サウナに行ったり、若い選手と食事に行ったり。
俺は器用じゃないから、バスケのことも家のことも両方考えるとかできなかったんだよね。だからしっかりと切り替えるタイミングを設けることで、バスケットにも家族にも100%全力で向き合える環境を作ったね!

モチベーションの保ち方がすごいと思った選手は〇〇!

佐古さんは、オンとオフを大切にしているということでしたが、現役時代に、ご自身以外で、この人のモチベーションの保ち方すごいな、と感心した選手はいますか?

いるいる!一緒にプレイしていた後藤正規(現浜松開誠館バスケットボール部監督)だね。
彼はすごいというか、特殊だなと思って。彼は、普段から自分のリズムを崩さないんだよ。

いつオフになっているのかわからないぐらい、プライベートの時でもオーラが消えず、試合と同じような雰囲気。いつ寝てるんだろうみたいな。笑

バスケットに取り組む姿勢というか、彼のバスケットへのモチベーションの保ち方は本当にすごいと思ったし、学んだ部分があるね。

すごいですね。プライベートでもスイッチが入っている状態とは、恐れ入りますね。

自宅にご飯に呼ばれた時も、バスケの話ばかりなんだよ。NBAとかじゃなくて、チームのこと。本当に武士のようで、俺にはできないなと思ったよ。

指導者として必要なマインドは、バスケットへの想い

選手のモチベーションを保つ以外で、指導者に大切にしてほしいことはありますか?

指導者には、バスケットを好きになってほしい。勝たせるために、とかじゃなくて、バスケットを好きだから一緒にバスケットに携わっている、みたいな。その感覚がいいと思う。

小中学生チームの指導者はどうですか?

小中学生に対してってなると、技術を教える必要ってないと思う。
技術って、コーチが教えなくても、選手が、自分で必要だと思ったり、こうなりたいとかあれば、今は小学生でも映像で確認して練習できる。
大人が教えようと思うと、子どもたちの感覚からすれば、押し付けられているように感じちゃうよね。

俺は、大事なことや絶対やったほうがいいってことは、教えるんじゃなくて、こんなことあるよ、みたいな、紹介というニュアンスで伝えるようにしている。

紹介のニュアンスであれば、選手が主体的に取り組む感覚になりますね。

そう。
コーチには先を見据えてほしい。今じゃないんだよ。

コーチが楽しくなかったら選手も楽しくない。コーチがゲラゲラ笑っていたり、いいね! おもしろい! とか明るく伝える。

バスケットボールって楽しいんだと思えば、新しいことに本当にチャレンジするようになるから。
それをバスケットボールの入り口にしてあげたいんだよね。

なかには俺でもプロになれるかもって思う子や、自信を持てる子が出てくる。
子どもたちに夢や目標を授けるのは、すげぇ大事だよ。

まとめ:選手はオンとオフを意識して! 指導者はもっとバスケットを好きになろう!

日本一を経験している佐古さんのお話は、納得のいくお話ばかりでした。
モチベーションの保ち方は人それぞれですが、今悩んでいる人は参考にしてみてください。

また、指導者はバスケットをもっと好きになりましょう!
バスケットを好きなあなたから指導されれば、子どもたちものびのびとプレイできます。

明日から笑顔で楽しく指導してみてくださいね!

余談:俺は怒るのが向いていない…

佐古シニアプロデューサーが穏やかな方なのがよくわかるエピソードです!

佐古シニアプロデューサーって怒ることあるんですか?

いやぁ、ないね。
広島でヘッドコーチをやっていたとき、アシスタントコーチから、佐古さんは若手に甘いって言われたんだよ。
だから、わかったわかった、じゃあ頑張って怒るよって。
若手に怒っていたら、俺胃潰瘍になっちゃって。笑
俺、人を攻撃するようなのダメなんだ、全然向いてないって気づいたよ。

次の年、俺今年からは怒らないからって宣言した。笑
2年目から全く怒らなかったよ。笑

(取材・構成:渡邉祐人)

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