バスケットボールに関することを様々な人にインタビューしてお伝えする企画です
ディフェンスってつまらない、おもしろくない…
「クリニックQ&A」にもそんな声が多く寄せられます。
そこで現役時代ポイントゲッターを守ることが多かった大山コーチにディフェンスについてお話を聞いてみました。
第1回はディフェンスの目的とその技術 第2回は選手たちに伝えたいことを大山コーチにお聞きしました。3回目は大山コーチの現役時代の事をお聞きします。
マンツーマンディフェンスをしているときに私が感じるのは、「ただつく(守る)って面白くないじゃん」ということでした。ディフェンスは、オフェンスの動きを判断してから動くので、いつも受身になります。自分の思い通りにいかないので面白くなかったんだと思います。
そんな中、相手チームのエースを守ることが増えていきました。エースというくらいですから相手は攻撃力の高いプレーヤーです「ただつく(守る)」だけでは守れないことも増えてきました。実業団に入りたての頃は、毎日ひたすらどうしたら守れるのかを考えていました。その結果、「やりたいことをやらせない」「受身にならないように、仕掛けるディフェンスをしよう」と意識して取り組むようになりました。
相手がやりたいことをやらせないようにするために、ボールを持たれる回数を減らす、究極を言えばボールを持たせない「ディナイディフェンス」を身に付けるために必死で練習を重ねました。リングの場所、マークマンの位置、ボールの位置などを見て自分のポジションを決め、さらに、自分の体の向き、腕の使い方、手の使い方、フットワークを組み合わせていきました。
どれだけ練習しても、ボールを持たれてしまうこともありました。ボールを持たれないように最大限の努力をしたけれど、ボールを持たれてしまったら、ボールマンとの間合い、プレッシャーのかけ方(ハンドワーク)によって、相手をできるだけ窮屈にして自由にプレーさせないようします。結果的にマークマンがリングへの攻撃をやめ、他の選手にパスをしたら、うまくいったと思うようにしていました。
海外のチームとの試合では、選手の特徴がわからないときもあります。そんなときは、試合が始まったと同時に、マークマンの特徴を見極め、把握します。ポジション、身長、スピード、シュートの正確性など、守るときのヒントになる情報をできるだけ早く習得できるように分析します。また、マークマンだけなく敵のオフェンスパターンもできるだけ早くみつけ、それをやらせないように守るのです。
私は、身長があまり大きくないため、同じポジションの選手とマッチアップするとほぼミスマッチ(身長差がある)でした。そして手も長いためハンズアップしていても頭の上からシュートを打たれてしまいます。ボールを持たれなければシュートは打てない、「ボールを持たれたら負け」と思いプレーしていました。