ENEOSバスケットボールクリニック

クリニックQ&A寄せられた質問にクリニックのコーチ陣が回答します。

大学でもクラブに入りたいのですが、やはり推薦以外は試合にも出れず、満足に練習もできないのでしょうか?

本日、塚本さんのバスケットボールクリニックを受けて、プロになりたい気持ちが強くなりました。ヒューマンアカデミーに入ってスキルを学んでから大学に編入学すれば、良いと思うのですが入ることは親に反対されています。プロになるのは難しいとおしゃってました。しかし可能性があるともおしゃっていました。引退してから、クラブチームに入って、スキルを学ぼうと思っているのですが、他に方法はあるでしょうか? 恥ずかしながら今のままではレギュラーになれない自信があります。しかし可能性もあると信じています。

今やるべき事と大学の練習とはどういう物でしょうか?

jasonwilliamsさん(プレイヤー/高校3年生 男性)

うーん。難しいですね。プロになりたいという目標はよく分かります。しかし現実問題、現在日本にはプロというカテゴリーはbjリーグだけで、サッカーや野球のようなプロは存在しません。我々関係者も「プロ化」することが強い日本を作るということだと思っているのですが、今までの歴史の中でプロ化するためには、まだまだ時間がかかりそうです。そこで、jasonwilliamsさんの将来のことなので、どう考えるかを整理してみましょう。少し長くなりますが、一緒に考えてください。

まず、一般的なプロの定義です。組織がプロであることが第一の条件です。そして、チームがプロであること、選手がプロであること、というようになります。プロ選手はバスケットボールをやって給料をもらうわけですが、その給料は、観客の入場料収入・テレビなどの放映料・グッズなどの売り上げ・その他それに付随する収入・スポンサー収入(テレビ放映が条件)などなどから選手の給料が支払われる仕組みです。そして残った収入が、チームの運営やリーグへの供託金(ロイヤリティー)などに充てられます。したがって、チームとしてはいかに観客を動員するかが第一で(強いチームが条件)、当然人気が出ればテレビ放送も増え、グッズも売れ、チーム名の露出が増えればスポンサーも付いてくることになります。以上がプロの成り立ちで、これから日本が目指していかなければならない問題です。

次に、さらに将来のことも考えてみましょう。バスケットボール選手の一般的な選手寿命はだいたい30〜35歳くらいだと思います。中には非常に長い人もいますが、それはごく一部の選手です。問題は、プロのリーグやチームができたとして、もしあなたがプレーヤーとしてチームに残れない、あるいは戦力外となった場合、選手としてプレーはできなくなります。それまで充分将来に不安がないくらいな報酬をもらって、それを元手に事業をやれるようであったり、何か資格を持っていて、次の仕事に目処がついているようなら問題はないのですが、そのような選手がいるとすれば、これはごく限られた選手だと思います。それはほんの一例ですが、問題はプレーができなくなったときどう生きていくか、ということを考えておかなければならない、ということです。家庭を持って家族を養わなければならなくなった場合、収入がないかわずかであったら、生活が苦しくなるわけですよね。

アドバイスとしては、大学に進学して、学校に通って単位をしっかり取得し、そのチームで懸命にバスケットボールをやって上達し、そしてしっかり卒業して、その時点で上を目指せるのであれば、さらに上のリーグに上がっていけば良いのです。もしかしたら、その頃にはプロリーグができているかもしれません。bjリーグやJBLのトップリーグでも、ほとんどが大学を卒業してプレーしています。華やかな舞台には立っていますが、そういうことからして将来が決して安定しているわけではありませんが、それぞれの選手たちがしっかりしたビジョンを持って今を頑張っています。

以上のことを踏まえて、悔いのない選択をしてください。いずれの場合も、安易に進んでいけるわけではないことも理解してください。人生の先輩であるご両親の意見もしっかり聞き、最終的にはjasonwilliamsさんが選択することだと思います。

コーチに聞きたいこと大募集中!

バスケットのこと、練習のやり方、コーチに聞きたいさまざまな質問を募集します!
寄せられた質問と、回答も紹介していきます。

いただいた質問すべてに回答しているわけではありません。ご了承ください。

質問はこちらから

TOP