クリニックQ&A寄せられた質問にクリニックのコーチ陣が回答します。

私は監督にちょっとでもプレイのことで怒られると、とても頭にきてしまって監督に反抗したり指示を無視してしまったりしてチームの雰囲気をいつも乱してしまいます。自分でも悪いことだとは分かっているのですが、頭にくることはどうしてもコントロールできません。どうすれば治りますか？

ＭＡＩさん（プレイヤー／高校2年生／女性）

いい質問をありがとう。「びびる」ことなどを含め、ゲーム中感情をコントロールできないという選手はとても多いと思います。でも、まず「分かっていてもどうしてもやってしまいます」という思い込みは今すぐ捨ててください。「どうしてもやってしまう」は自分の思い込みです。変わるぞ！という気持ちと動機（なぜ変えたいと思うのか）を持って、行動を積み重ねていけば必ず自分の力で変えられます！

まず始めに考えて欲しいのは、ＭＡＩさんは「何のために」バスケットをしているのかということです。監督のためですか？ＭＡＩさんにとってのバスケットは、監督の言うことが全てなのでしょうか？そうではないと思うんです。自分の好きなプレーを思い出してください。それが成功した瞬間やバスケットをしていてとても楽しい瞬間を思い出してみてください。また一生懸命練習して何かの技術を得たこと、それが試合で成功したこと、頑張って練習を積み上げて試合に勝ったことの嬉しさ。そういうもののためにバスケットをしているのではないでしょうか。決して監督のためではありません。それをまず理解したうえで、ではなぜ監督が自分を怒るのか考えてみたことはありますか？よく言われることですが、監督は、できると思っている選手が何かミスをすると「できるはずだ」という期待をかけているからこそ怒ったり注意をしたりするものなのです。私も今、大学のチームの監督をしているのでよく分かります。「ああ、この選手は今のミスを怒ってもしょうがないな」と思ったら怒ったりしませんよ。期待をして信頼をしているからこそ怒るんです。ＭＡＩさんの監督さんにお会いしたことはありませんが、少なくとも私を含め多くの監督はそうですよ。怒られた時に、監督に向って腹を立てるんじゃなくて、「ああ期待されてるんだ」そして「私は今、ある壁を越えられそうなところにいるんだな」と考えてみてください。そして「なにくそ、負けるもんか」と自分に言い聞かせて、出来なかった自分やキレてしまう弱い自分に立ち向かってみてください。そうやって毎日の瞬間瞬間を頑張っていけば、断言します、必ず、少しずつ変わっていきます。だけど、もし監督に怒られることがどうしても納得がいかないようだったら、練習以外の時間に、一度監督ご本人に「私はどうして怒られるんですか？」と聞いてみてはどうでしょうか。もしかすると監督の方もなぜＭＡＩさんが怒っているのか分からないかもしれませんよ。ＭＡＩさんが心から楽しんでバスケットができるようになることを、祈っています。