中学女子の外部コーチをしています。新チーム始動後半年が経ちました。基本的にディフェンスはマンツーマンをしっかりやることと、オフェンスでは個人技を中心にやりました。県大会に出場し、ベスト8までいきましたが、うち以外はどこもゾーンプレス、ゾーンディフェンスをやってます。これから上にいくためにプレスやゾーンの攻略をする練習をしていきたいのですが、攻略する考え方を養っていく練習方法を教えてください。また、マンツーがしっかりできてきたのでゾーンにも取り組もうと思ってますが、1-1-3の考え方も教えてもらえると助かります。
バスケットボールメんさん(指導者/中学生/女性)
ゾーンやゾーンプレスをやっているチームが多ければそれらのチームに勝つためにはやはりゾーンアタックやプレスブレークは練習しておく必要があると思います。
ゾーンアタックのポイントは「ギャップ」を攻めアウトナンバー(数的有利)を作ることが大きなポイントです。アウトナンバーというのは3:2、2:1、1:0というようにオフェンスの数を増やして攻めることですが、よく皆さんがやっているハーフコートの3:2を攻める時の考え方と全く同じことです。
例えば、2-3ゾーンを攻めるとします。トップにいるガードがボールを持っている場合1線目のディフェンスが2人いるので、そこは1:2となっています。しかし、2人の間(ギャップ)をドリブル(ドリブルペネトレーション)で攻めようとすれば二人のディフェンスは同時にドリブラーに接近してきます。その時どちらかのウィングマンがボールをレシーブしようとしていればその局面は2:1になっています。そういった局面をたくさん作るようにすれば良いのです。また、そのケースでガードが二人を引き付けていれば、他の4人に対してディフェンスは3人になっている、という考え方をボールの移動とともに作っていくのです。
そいった分解練習を沢山やるとゾーンアタックが習慣化されるでしょう。
ゾーンプレスもゾーンディフェンスをオールコートの広げた考え方ですから、アウトナンバーを作りながらパスで攻めるようにすれば良いと思います。
過去に同じような質問が寄せられています。その回答を参考にしてください。
次に、「マンツーマンがしっかりできてきたのでゾーンディフェンスを」とありますが、チームのレベルアップ(より勝てるようなチーム作り)を図ろうとする場合、戦術を求めようとすることは感心しません。
強いチームというのはチームの戦術ではなく、選手個々をいかに上手くするかに係っています。考え方を整理すると、先ほどのゾーンアタックやプレスブレークも同じことが言えるのですが、基本的にドリブルワークやドライブワーク、パス技術、シュート技術を上げて行って、個々の選手が上達すればチーム力も上がっていくのです。チーム全体のレベルを上げようとする前に、個々のスキルアップを図ることでチーム全体の力も上がってきます。
指導者はそこを勘違いしてはならないのです。
勝つための戦術に走る前にもう一度選手個々の能力アップを見直す必要があります。
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