ENEOSバスケットボールクリニック

クリニックQ&A寄せられた質問にクリニックのコーチ陣が回答します。

はじめまして。参考のためによくこのサイトを拝見させていただいております。

私は学生なのですが、同校の女子部の指導をしております。私の基本的な考えとしては、誰でも意識すればできること(スクリーンアウト、ルーズ、DFなど)をがんばることで試合を作ることができるという考えのもとで普段取り組んでいます。かかわり始めてからおよそ半年ですが、スクリーンアウトなどはだいぶ意識が出てきたのですが、ルーズが特に言い続けてもなかなか改善しない日々が続いてます。そこで、ルーズを強く、そして考えるよりも体が動かせるようになれるメニューがあれば教えていただけないでしょうか?よろしくお願いいたします。

tokumeikibouさん(指導者/大学生/女性)

質問に「意識」とありますが、身体を動かすときには意識だけでは習慣化できません。

スクリーンアウトができるようになったとのことですが、おそらくそのためのドリルをやっていたからだろうと思います。

「意識」というのはあることを自分ができるという自信があれば、それに集中することで身体も動くのですが、自分にできないことを「意識」しても身体は動きません。

たとえば、ルーズボールになったとき「ルーズ!」と大きい声を出しているコーチをよく見かけます。しかし、それが取れないとき「何で取れないんだ~!」と怒っているのです。

しかしここで考えたいのは、ルーズボールというのは床に身体を投げ出していくので、転ぶことへの恐怖心や身体接触の怖さもあるはずです。

したがって、「ルーズボールを取れ!」という言葉や「意識」だけでは取ることができないのです。やはり繰り返し練習して習慣化し、身体を投げ出すことの恐怖心を拭い去り自信をつけることが大切になってきます。

そこで、「練習メニュー」ですが、「どうやったら取れるようになるだろうか?」と考えることが指導者の仕事なのです。

ドリルそのものはたくさんありますが、自分のチームの選手に資質、性格、技術レベル、運動能力等々を考えあわせ、選手たちに最も適しているドリルを考えだして欲しいと思います。

できあがったドリルを実行してもそれがすぐに実戦に結びつくかどうかはわかりませんが、もし結びつかいないようならそのドリルに修正を加えさらに実行する。

それを連続することが指導者の財産になってくるのです。

話は変わりますが、バレーボールの「回転レシーブ」というのをご存知ですか?

古い話になりますが東京オリンピック(1964年)で女子バレーボールチームが初めて金メダルを取ったのですが、長身者揃いの外国チームに対し身長のハンディキャップを補うため、相手のスパイクを身体を床にスライディングさせて回転しレシーブできれば勝てる、という信念のもとに当時の大松監督があみだした技術です。

女子バスケットボールでも1975年の世界選手権で2位になりモントリオールオリンピックに出場し5位という成績を残したのですが、そのときの尾崎監督があみだした「忍者ディフェンス」(マンツーマンディフェンスとゾーンディフェンスをおりまぜたディフェンス)を考案したことがこの好成績につながっています。

選手たちを納得をさせるためには指導者自身がそのやり方をよく理解して理論的にわかりやすく説明することが必要で、そうなれば習慣化するには多くの時間は必要なくなるかもしれません。

選手を上達させるためにどんな練習をしたらいいのかを、いろいろ工夫しながらチャレンジしてください。

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