ENEOSバスケットボールクリニック

クリニックQ&A寄せられた質問にクリニックのコーチ陣が回答します。

全員が素人のチームを外部コーチとして7年指導しています。

いつも100対2とかで負けているチームをスパルタに近い指導で1、2回戦は勝つことのできるチームにできました。

しかし、今の代は厳しい練習をするとすぐ足が痛い、お腹が痛いと練習を休んでしまいます!

親の方々も子どもたちが勝ちたくないのになぜそこまでするのかと学校に文句の電話をしてきます! どうしたらいいですか?

中学校女子バスケット指導者さん(指導者/中学生/女性)

「スパルタ」という表現をなさっていますが、具体的にはどういう指導をされたのでしょうか?

100対2で負けるというのは選手も指導者も悔しい思いをしただろと思います。

「勝ちたい」と思う気持ちはよく理解できますし、厳しい練習を積んで1、2回戦を勝てるようになったということは素晴らしいことです。

しかし、本当に「勝つ」ことが最も大切なことでしょうか?

指導方法の良し悪しではなく、足が痛い、お腹が痛いと言って厳しい練習に来ない子どもたちになってしまっているということが事実だということです。

「今の代は」と言っておられますが、厳しいことを言いますがそれで片付けてしまっていては指導者として前進はありません。

目標は「勝利」で間違いないと思いますが、大切なことは目標に向かって子どもたちをどう成長されるか、ということが指導者が最も考えなければならないことです。

当然チームで競うスポーツですから、チームとしてどうやるか、またその中で個人をいかに上達させるか、そして一人一人の個性をどうやって一つの方向に向けるか等々。

それはバスケットボールの技術的な側面も当然ですが、大げさに言って社会性(人としてどうあるべきか)を養うことが最も大切なことだと思っています。

それがチーム作りだと思います。

バスケットボールを経験した子どもたちが少ないようです。その子どもたちに、たとえ負けたとしてもバスケットボールの楽しさや面白さを教えることの方が大切で、その中でバスケットボールを通して正しい判断力を養ったり、困難に立ち向かって行ける勇気や強い心を育てる、何事も一生懸命に取り組む方が先だと思います。

そうすれば勝つことへの関心や意欲も出て来るかもしれません。

子どもたちは全員が将来までバスケットボールを続けるとは限りません。

たとえバスケットボールから離れたときでも、バスケットボールを通して成長したとしたらそれは素晴らしいことではありませんか。

コーチが子どもたちを勝つための道具にしてはいけないということです。

子どもたちは厳しい練習環境に嫌気がさしたとします。当然家に帰ってそれを愚痴として両親に話すだろうと思います。

それを見ていない親御さんたちは当然学校にクレームを付けてきます。

その現象は厳しい練習を子どもたちが理解していない証拠です。だから逃げるのです。

指導者はそう考えるべきでしょう。

バスケットボールの経験がない子どもたちならバスケットボールが少しでも早くうまくなれるように、練習方法を考えたり、子どもたちと一緒になって悩んだりしながら進んでいくようにするのが指導者の役割(仕事)だと思います。

どうかもう一度自分自身の指導理念のあり方を大きく見直してほしいと思います。

勝てるようになるまで何年掛かるか分かりませんが、その上で「絶対に勝てるようになる!」という強い信念を持ってください。

そして指導者の考え方が理解できるようになれば、子どもたちの勝とうとするモチベーションも上がってきます。

そうなれば上達することへ興味が湧きてきます。

指導者というのはいつも悩みを抱えながらやって行かなければなりませんし、中々人に相談もできるようなことでもありません。

他に何かありましたらいつでも質問をお寄せください。

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