ENEOSバスケットボールクリニック

クリニックQ&A寄せられた質問にクリニックのコーチ陣が回答します。

中学生指導者になって2年目です。女子チームを担当しています。チームには170・166と身長が高めのレギュラーがいるので、2センターを基本に取り組みたいので、勉強させてください。

2センターのポイントと、外の3人との動きの合わせ方などを教えていただけないでしょうか。よろしくおねがいします。

hooperさん(指導者/中学生/女性)

170、166cmの選手というのは女子の中学生としては大きいですね。

では2センターを使ってのオフェンスの考え方を整理してみましょう。

まず、この二枚の選手を使って2センターと考えてよいかということを考えてください。

最初に選手の資質がセンターに向いているかどうかを考える必要があります。

この世代の子供たちには急に成長して身長が伸びているので、比較的身体が細く、身体接触が苦手な子供がいることがあります。

特にインサイドでのプレイは身体接触が多いのである程度身体が太く、接触を怖がらないような強い精神力も必要です。

その辺りを見極めてください。

本人が接触が苦手だという場合、無理にセンターポジションでプレイさせるとバスケットボールへの意欲を失う危険性もあるからです。

もしアウトサイドからのプレイに向いていると判断できたら、インサイドの大切さも強調しながらそれを伸ばしてほしいと思います。

次に、もしその二人の選手がインサイドでプレイできると考えた場合のプレイについて、いくつかあげてみます。

基本的にセンター二枚の場合は両方のセンターで常にスクリーンを掛け合って動かすことが基本になります。

基本ポジションはハイポストとローポストに配置しますが、両方が左右のローポストからオフェンスに入っても構わないでしょう。

センターが二枚の場合アウトサイドの選手が3人になりますから、基本はトップと両ウィングが基本ポジションです。

●基本のポジション

  • 基本ポジション1

    ハイポストとローポストに配置

  • 基本ポジション2

    左右のローポジションに配置

●二人をローポストに置いた場合のオフェンス

  • ポジション

    基本のポジションからオフェンスに入りますが、二人をローポストに置いた考え方を説明します。

    まずどちらかのウィングにガードからパスをしますが、そのときボールサイドのローポストのディフェンスが後ろに付いているようであればボールを入れます。

  • パスが入れば…

    ポジション

    ポジション

    ボールが入れば1:1でゴールにBを向かわせシュートさせるようにプレイします。

    その際、逆サイドのローポストマンAは、自分のディフェンスがそのプレイをヘルプしないようにハイポストのフリースローサークルの比較的高い位置に素早く上がります(フラッシュ)。

    このときもしディフェンスがヘルプに行けば、ハイポストがノーマークになりますからローポストからパスをすれば簡単にシュートできます。

    ディフェンスが付いて来れば1:1で攻めることができます。このときトップの位置にいるガードの選手は、ハイポストを開けるようにパスした逆のウィング辺りに動いておきます。

  • ポジション

    もしローポストにパスが入らないときは素早く逆サイドのローポストにスクリーンに動きます(クロススクリーン)。

    スクリーンに掛かればゴール下がノーマーク。

    スクリーンに動いた選手はスクリーンを掛けた後、ハイポストにフラッシュし前の動きと同じ考え方でプレイします。

  • 以上の二つの動きでパスが入らないときは

    ポジション

    【A】ボールを持ったハイポストマンから逆サイドのウィングへパスをし([1])、パスをした逆のローポストへスクリーンに動きます([2])。

  • 【B】空いているトップのポジションに、サイドのウィングマンのどちらかがトップのポジションにボールを受けに来ます。

    以下は【A】と同じです。

    ポジション

  • オフェンスの形が1-3-1になっているときにハイポストにボールが入ったとき

    ポジション

    次にオフェンスの形が1-3-1(トップ、両ウィング ハイポスト、ローポスト)になっているときに、ハイポストにボールが入ったとします。その場合ローポストエリアには人がいませんから、ハイポストからローポストへパスをして、ハイ/ロープレイを狙ってもよいでしょう。

  • ポジション

    ローポストマンは一度リング下に動くフェイクをし、ディフェンス状態をよく見てディフェンスの前を取ります(ダックイン)。

    そのとき、例えば向かって右のローポストにいる場合、一度右足を大きく踏み出しベースライン側へジャブステップでフェイクを掛けディフェンスを動かし、そのまま右足をディフェンスの前に出してその後スライドステップで前と取ってポストアップ(面を取る)。

    また、同じように左足をベースライン側へフェイクしその足を軸にしてロールターンをしてポストアップ。

    これでハイ/ローのプレイとなります。

  • ポジション

    ポジション

    以上を基本として動きますが、アウトサイドの3人はハイポストマンをスクリーナーとしてインサイドへカットしたり、ローポストからポップアップ(外に出て)、アウトサイドマンにバックスクリーンを掛けインサイドへカットさせることも必要です。

以上になりますが、ここで問題となるのはその2枚のセンタープレイヤーたちが、これらの動きを理解してやれるスキルがあるかどうかということです。

おそらくすぐにできるとは思えませんので、普段の練習で付きっ切りで指導していかなければうまくプレイすることができないと思われます。

指導者として最も大切であり大変な仕事となりますが、根気よく指導していけば必ずプレイのしかたを覚えてくれると思います。

頑張ってください。

また冒頭で説明したように、これらを基本としていろいろ工夫してオフェンスを作ってみることも大切です。

コーチに聞きたいこと大募集中!

バスケットのこと、練習のやり方、コーチに聞きたいさまざまな質問を募集します!
寄せられた質問と、回答も紹介していきます。

質問はこちらから

TOP