渡嘉敷来夢×岡本彩也花『2人のリーダーが導く先』

ENEOSサンフラワーズ在籍12年目となる渡嘉敷来夢と岡本彩也花――。

昨シーズンは、渡嘉敷が皇后杯(昨年12月)の大会中に膝のじん帯断裂というアクシデントに見舞われたが、その穴を岡本が先頭に立ちながら、全員でカバーして8連覇を達成。しかしWリーグではファイナルで敗れて準優勝となった。

それだけに、『2冠』が至上命題の女王軍団にとって、今シーズンはリベンジのシーズンとなる。「皇后杯に照準を合わせている」とエースの渡嘉敷が言えば、「みんなで優勝を分かち合いたい」というキャプテンの岡本は言う。桜花学園高校の頃から互いを高めあってきた同級生。チームでは最年長となったリーダー2人が今シーズンに懸ける思いを語った。

岡本「(チーム最年長にも)気持ちは誰にも負けていません」

開幕を間近に控えていますが、コンディションなど調子はいかがですか?

岡本9月末に大きなネンザをしてしまったのですが、それも治ってきていますし、調子は上がってきいます。アジアカップ日本代表選手の3人がシーズン直前の合流にはなりますが、彼女たちが戻ってきたらしっかり合わせられるようにして、開幕の時はコンディション上向きの状況で挑めるようにしたいです。

渡嘉敷今は開幕に向けて調子を合わせていますが、私も今の時点では身体の状態はいいです。個人的には開幕戦の先、皇后杯に向けてしっかり準備をしたいと思っています。開幕戦も含め、試合を重ねていきながら実戦感覚などを戻していきたいですね。

移籍、引退などもあり、チームのメンバー編成は大きく変わりました。

岡本選手の年齢が若くなりましたね。その中でコミュニケーションを取ることが大事になってくると思っていて、若い選手たちに丁寧に伝えるなどをしないといけない立場だと感じています。難しいところはあるのですが、私たちが引っ張って、試合を重ねながらステップアップしていきたいです。
ただ、練習ではヘッドコーチが佐藤清美さんになり、土台作りからしっかりとできているという感覚はあります。

渡嘉敷私は、練習中から発言することによって責任が生まれると考えているので、そこは若い選手たちにも実行してもらいたいなと思っています。今は私からアドバイスをすることが多いのですが、それはそれで楽しいです。やっぱり最後には勝ちたいという思いがあるので、自分の経験を若い選手にうまく伝えていきたいと思っています。

チームでは最年長です。

渡嘉敷でも、私たちが一番動けていますよ(笑)。もちろん、若い頃と比べたらきついと思うことはあるけれど、いつでも負けたくないと思っています。

岡本気持ちでは誰にも負けてないよね。

渡嘉敷これまでの経験を生かしてうまくやっています。

ともに12年目ですが、入団当時から環境だけでなく、考え方なども大きく変わったと思います。

岡本入団した頃は試合に全く出ていなかったので、自覚もなければ責任もない。このチームにいて大丈夫なのかな? といったような気持ちで練習に参加していました。だけど試合に出るようになってからは自分がもっとやらないといけないという気持ちがわいてきたし、年下の選手が入団してからは、しっかりしないといけないという思いも芽生えました。段々と周りのことにも目を向けられるようになったと思います。

渡嘉敷だから1年目から3年目ぐらいは、話が合わなかったよね。

岡本タク(渡嘉敷)は試合に出ていたからね。

渡嘉敷あの頃は練習以外ではバスケットの話は一切しなかった。ただ、3年目から試合に出るようになったのですごいなとは思ったかな。まぁ、私は高校の時からレア(岡本)のすごさは知ってるけどね。

岡本中学からじゃないの?

渡嘉敷中学の時が一番かっこよかった(笑)。でも、真面目な話、本人の取り組み方でここまで変われるというのは、レアの昔をみんなに知ってほしいぐらい。本人の努力次第でトップレベルにいけるということを証明したよね。

渡嘉敷さんは1年目から試合に出ていました。

渡嘉敷そうですね。私はその時から今も『誰にも負けない』という気持ち変わらないです。ただ、昨年のケガをして思ったのは、それまではチームが勝つために『自分だけではダメだ、みんなで一緒にやろう』という思いから、気になることはチームメイトにいろいろと言ってきました。でも、そのことで自分自身に目を向ける時間が少なかったのではないかと。例えば8対2の8がチームメイトに対してだったら、6対4ぐらいでもいいのかなと思っています。そこがケガをして変わったところですね。

岡本ケガをする前のタクは本当にチームのことしか考えていなかったんだなと感じることはありますね。今、考えるとチームに力を注ぎ過ぎていたなと。皇后杯でケガをする直前は特にそうだったと思います。

渡嘉敷優勝が懸かってたからね。

岡本頑張りすぎていたのもあるし、周りのためにやっていたのかなと…。あ、ダメだ泣きそうになった。

渡嘉敷えー!

岡本タクのケガの話になると泣きそうになるんだよね。

渡嘉敷いや、もう泣いてるよ(笑)

岡本思い出すのも嫌で。

渡嘉敷ありがとね、泣いてくれて。

岡本本人もつらいと思うけど、見ている方も死ぬほどつらかったから…。

渡嘉敷私がつらいというのを表に出さないので、余計にレアは重く考えていたと思う。オリンピックの時期も、私のこと気にかけているというのは伝わったし。リハビリ期間中も弱音はかなかったし、たくさん泣いたのは(ケガをした)皇后杯ぐらい。それ以外は泣いてないからね。

岡本私も我慢するタイプだけど、こういう何も見せず、いつも明るくしているのが、見ていてつらかったんですよ…。

渡嘉敷さんのケガは岡本さんにとってもかなりつらいことではありましたよね。では、次に泣くのは2人が一緒にコートに立った時ですね?

岡本開幕戦になるのかな。

渡嘉敷いや、勝ってから泣こうよ。

岡本そうだね。

渡嘉敷(ケガをして)ちょうど1年だからね。次は自分の手で優勝したいし、また違う優勝を味わいたい。

岡本昨年の皇后杯優勝した時、タクは、『来年は自分が優勝するぞ』という気持ちに変わっただろうなと顔を見て思った。優勝したけれど、コートに立ってないという悔しさはあるから。

渡嘉敷さすが(拍手する)

渡嘉敷『やっぱりENEOSだ』と言ってもらえるように

様々な思いを持って臨むシーズンですが、お互いにエールを送るとしたら。

渡嘉敷今シーズンは昨シーズンと違って、レア自身も自分と向き合う時間があったと思います。シーズンが始まっても、体で痛いところがあったら、ちゃんとそれと向き合うようにしてほしいです。レアはいつまでも自分が若いと思っているところがあるので(笑)、シーズンを乗り切るには自分と向き合うことが大事だよと。そうすればレアは絶対に、いいパフォーマンスができると信じています。今シーズンもしっかり前から、第一線で相手のガードに対してハードにマークしてもらわないと困るので。レアはディフェンスをしっかりやるチームの要だと思っています。

岡本確かにいつまでも若い気持ちでいたけれど、自分の体と向き合って、大事な時に自分の100以上の力が出せるようにしたいですね。
タクは、ケガする前は周りを気にしてたから、同じく自分と向き合う時間をしっかり作ってほしいと思います。あとは、もっと私に頼ってほしいなとも。今は練習でも一人だけ体のキレがいいんですよ。一番動けているので、逆に気を付けてほしい。練習では隙がないというか、細かいところを一つ一つしっかりやるし、経験が違うなと感じますね。シーズンに入っても自分のペースで今までどおりやってくれればいいと思っています。

それぞれシーズンに向けた抱負をお願いします。

岡本昨シーズンはリーグ戦のタイトルを落としているので、今シーズンは、2冠を絶対に取りたいです。個人的には毎シーズン同じではあるのですが、一番は走ること。誰よりも速く走るなど、スピードあるプレーを意識したいです。

渡嘉敷復帰を楽しみにしてくれている方がたくさんいると思うので、その人たちに向けて帰ってきたという存在感を出していきたいです。この身長(193センチ)で走れる、跳べるというところを見せたいですね。
『昨シーズンより調子いいよね』『ケガをしていたとは思えない』と言ってもらえるようなコンディションで、若い力を借りながら優勝を目指します!

ファンの皆さんも活躍を期待しています。

渡嘉敷皆さんの熱い応援が一人ひとりの力になると思うので、引き続き熱いご声援をお願いします。勝ちましょう! コロナ禍のため、会場に来てくださいとは言えないのですが、応援の仕方はいろいろあるので、ENEOSに注目してもらいたいです。『やっぱりENEOSだ』と言ってもらえるように頑張ります。

岡本昨シーズンは、期待をしてくれていた中で、思うような結果を出せませんでした。今シーズンはみんなと一緒に優勝の喜びを分かち合いたいです。開幕戦からENEOSのバスケットを全力で出して、『今シーズンは大丈夫だぞ』と思ってもらいたいですね。みんなも一緒に戦ってください!!

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