ENEOSバスケットボールクリニック

クリニックQ&A寄せられた質問にクリニックのコーチ陣が回答します。

パッシングオフェンスを考えています。ですが、最初はどうやって展開していけばよいか難しく、個人的にはまずは3人でパスランから始めるといいのかなと思いますが、どうでしょうか。バリエーションもどんなのを取り入れたらいいのか、また手順や練習方法を教えていただきたいです。お願いします。

yuukiさん(指導者/大学生/男性)

オフェンスの基本は1:1でディフェンスをやっつけることです。ボールを持ったらシュートまたはドライブで突破することから始まります。

しかし、相手の力(個人、チーム)が下の場合は簡単に突破することができるのですが、対等以上になると1:1で突破することが難しくなります。したがって、次に考えるのは2:2(オンボール、オフボール)、次にその2:2に1:1が加わって3:3(オンボール、オフボール)になります。

それを5人でボールを移動させながら、しかも選手同士が一定の距離(スペーシング)を保ちながら、人も動いてディフェンスをできるだけ崩すことを考えますが、それが「パッシングオフェンス」、「モーションオフェンス」、「パッシングゲーム」と言われるものです。

パッシングオフェンスというのはパスを主体としたフリーランスなオフェンスです。「フリーランス」といっても自由になることや、勝手にやることではなく、選手のプレイにいくつかの動き方(ルール)がありますが、その中で自由な選択を与えるものです。

このオフェンスで最も大切なことは、パスした後のプレイヤーの動きです。大きなカギを握っています。基本はパス&ラン(ギブ&ゴーとも表現します)ですが、ディフェンスの位置によってその動き方が変化します。一つはボールサイドカット、もう一つはブラインドサイドカットです。

例えば、パスした後ボールサイドをカットしようとすれば、通常ディフェンスはボールサイドを止めようとバンプします。そのときはブラインドサイドをカットするか、パスした逆サイドへスクリーンしに動く、という選択があるという事です。その判断を選手がディフェンスをよく見て動きを判断することが「フリーランス」と言う意味です。

ミートしてボールをキャッチした選手はまずシュートを狙います。ディフェンスがルーズであれば即シュート。もしディフェンスがタイトに付いてシュートができない場合はドライブインを考えます。パスをした選手がカットしていますから、空いたスペースにドライブインします。カットするというのはそのドライブをするスペースを作る為と考えてようでしょう。

そして、シュートもドライブもできない場合は、次にボールを受けるべき選手が同じようにミートしてボールをキャッチ。そしてシュートまたはドライブ。

もしパスした選手が逆サイドへスクリーンに動いて、ディフェンスがスクリーンに掛かったらノーマークなっていますから簡単なシュートを作ることができます。

この繰り返しが「パッシングオフェンス」ということです。

したがって、パッシングオフェンスを構築するには、まず1:1の力を付けることから始め、次にオンボールの2:2、オフボールの2:2.そしてそこにもう一人参加させて3:3、と言うように組み上げていくと良いと思います。

2:2もオンボールでは、

(1)パスをしてボールサイドカットORブラインドサイドカット

(2)パスをしてオンボールスクリーン(ピック&ロール)

(3)パスをしてアウトサイドスクリーン(いわゆるトレールしてハンドパス)。その間ボールを持った選手はシュートOR突破を狙います。

オフボールの2:2では、

(1)ダウンスクリーン

(2)バックスクリーン(下から上に)

(3)フレアースクリーン

(4)スクリーンからスリップ(スイッチディフェンスの場合、ディフェンスのギャップをすり抜ける)。

3:3になればそれぞれの動きに一人参加してその2:2を補助しながらオフェンス参加します。

そんな風に考えてみて下さい。そして組み上げて行く途中でいろいろなアイディアが出てくればそれも追加していって、自分なりのオフェンスルールを作り上げていけばよいと思います。

ちなみに過去にもチームオフェンスの質問を頂いたことがあるので、その回答を参考にして下さい。

[クリニックQ&A]チームオフェンスのレベルアップするには…

何かありましたらまたご質問下さい。

コーチに聞きたいこと大募集中!

バスケットのこと、練習のやり方、コーチに聞きたいさまざまな質問を募集します!
寄せられた質問と、回答も紹介していきます。

質問はこちらから

TOP