ENEOSバスケットボールクリニック

クリニックQ&A寄せられた質問にクリニックのコーチ陣が回答します。

つい先日System breakという言葉を耳にしました。しかし、System breakという攻撃方法が今ひとつピンと来ません。選手がそれぞれ走るレーン(コース)があり速攻から得点を狙うという事は分るのですが、どのように得点を狙うのか詳しく知りたいです。

BRUINSさん(指導者/高校生/男女両方)

「System break」という言葉自体を始めて聞きました。

したがって、その考え方が解りませんので、お答えしようがないのですが、「Fast break System 」又は「System Fast break」で有れば速攻時の決まった形の事だろうと思われますが、「System break」はバスケットボール以外の様々な事を考えることができます。私の勉強不足かもしれませんが、現在バスケットボール造語が沢山有ります。例えば「ボックスアウト」と「スクリーンアウト」(ゾーンディフェンスとマンツーマンディフェンスの違いを同一化している)、シュートに関し「ループ」や「アーチ」(意味は全く同じ)。「パス&ラン」と「ギブ&ゴー」(バスケットボールのプレイとしては「パス&ラン」正しいと思います)、等々。

そもそもバスケットボールはアメリカで生まれたスポーツですから、用語そのものは英語が共通言語になっています。しかし、どうも日本のコーチ達は日本語的に造語にして独特の言葉を生み出しているような気がします。用語を統一することも我々がやらなければならないと思っています。

「System break」という言葉を耳にしたという事ですが、それを言った人が判れば一度その意味を聞いてみて下さい。新しい情報は共有させて貰えれば、先ほどの用語統一に向かって何か方法が解るかもしれません。

さて、ご質問の件ですが、「システム」という事からすれば決まった形を持った「Fast break」と考えて良いのかもしれません。少し昔になりますが、ディフェンスもオフェンスも決まった形で試合を進める指導者がいて、ディフェンスはコーチの指示でマルチなディフェンスをしたり、オフェンスも全てコーチが支持したフォーメーションをやっていたのを見たことが有ります。

そう言ったことから考えると、決まった形の「Fast break」があるのかもしれません。しかし、試合になると相手のオフェンスに対応しながら、スクリーンアウト、リバウンド、アウトレットパス、ボール運びの方法、等々常に違った様々な状況が生まれて来ますし、フロア上の位置もその時々で違って来ます。

もし決まった形(走るコースやボールを運ぶコース等々)であれば、かなり時間が掛かってしまうのではないかと考えられます。

「Fast break」の考え方として、相手帰陣する前に確率の高いレイアップシュートで得点することが効果的なのですが、時間が掛かってしまうのでは本当の意味での「Fast breakにはならないと思います。

リバウンドを取るにはどうするか?取ったリバウンドを何処に、誰にアウトレットパスを出すか?ボールを進めるには誰が、何処でどうするか?アウトナンバーになった時どう攻めるか?等々。「Fast break」に必要な要素は数限りなく有ります。

要はいかに短時間確率高いシュートを決めて相手にダメージを与えるか?という事が「Fast break」を出すための考え方です。  

そういった事からすれば、決まった形(System break)よりその時々によって的確な判断をし、それを実行できるスキルアップを目指した方が良いのではないでしょうか。

より効果的な「Fast break」についてはまた別途解説をしたいと思います。

コーチに聞きたいこと大募集中!

バスケットのこと、練習のやり方、コーチに聞きたいさまざまな質問を募集します!
寄せられた質問と、回答も紹介していきます。

質問はこちらから

TOP